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『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』(2020.02.17)

『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』
ヤニス・バルファキス(著) ダイヤモンド社
(Amazon:https://amzn.to/376TrlD

ギリシャ経済危機の際、財務大臣を務めた著者が、娘のために書いた、哲学のある経済解説本。気になった記述をいくつか示すと、

■農作物の余剰が、人類を永遠に変えるような、偉大な制度を生み出した。それが、文字、債務、通貨、国家、官僚性、軍隊、宗教

■大転換が起きた。借金が生産プロセスに欠かせない潤滑油になったのだ。利益自体が目的になったのも、このときだった。利益が出なければ、新しい起業家たちは生き延びることができないからだ

■国家に紐づかないビットコインのような仮想通貨の最大の弱点は、そこではない。最大の弱点は、危機が起きたときにマネーの流通量を調整できないことにある

■つまるところ、満足と不満の両方がなければ、本物の幸福を得ることはできない。満足によって奴隷になるよりも、われわれには不満になる自由が必要なのだ

資本主義の原理と経済の本質を、歴史、文学、哲学の教養を絡めながら語られていて、一気に引き込まれるオススメの1冊です。

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話