社員に対して金銭を貸し付けたとき
こんにちは、尼崎のK&P税理士法人の K&P税理士法人では、本コラムのなかで、税理士・スタッフが交代で、税制改正トピックなど、タイムリーで有益な話題を提供していきます! (監修:代表 香川 晋平) |
以前、ある会社(法人)のお客様の資料をお預かりした際に、会社から社員に対して金銭を貸し付けていることが分かったことがありました。念のために、利息はどうしているか確認をさせていただいたところ、無利息で貸し付けている、とのことでした。
今回は、その時実際にお客様にお伝えした内容について、ご説明させていただきます!
結論から申し上げますと、実際の利率よりも低い利率で金銭を貸し付けた場合、通常の利率によって計算した利息との差額に相当する金額を借入主にとっての「経済的利益」とみなし、
借り入れた人の給与として課税の対象にするということが所得税法で決まっています。
そして、ここで言う通常の利率は、次のものを言います。
[通常の利率]
- ① 会社が他から借り入れて社員に貸し付けた場合・・・その借入金の利率
- ② ①以外の場合・・・貸付を行った日の属する年に応じた利率(例えば、平成30年から令和2年に貸付を行ったものは6%)
1つ例を挙げてみます。
会社が外部から2%の金利で借り入れた金銭100万円を社員に対して無利息で貸し付け、社員が1年後にそれを返済した場合、社員にとっての経済的利益は2万円になりますので、その金額が給与所得として課税されることになります。イメージいただけましたでしょうか。
ただし、実際の利率より低い利率で貸し付けた場合でも、次のような場合には課税しなくてもよいとされています。
[課税しなくてよい場合]
- ①災害、疫病等により臨時的に多額な生活資金を要することに基因する貸し付け
- ②会社における借入金の平均調達金利など、合理的と認められる貸付利率による貸し付け
- ③その年(貸付主が法人である場合には、その法人の事業年度)における経済的利益の合計額が5,000円以下のとき
役員や正社員などに対して金銭の貸し付けを行う場合は、上記事項についても考慮いただいた上で行ってくださいね。
いかがでしたか。
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